住宅ローンを検討する際、金利の他に悩むことがもう一つ。返済方法です。
返済方法には“元利均等返済”と“元金均等返済”と言う2つのタイプがあります。
この2つを簡略的に表したグラフがこちらです。
それぞれの特徴を見てみましょう。
元利均等返済
まず“元利均等返済”は、毎月の返済額が一定の返済方法です。
毎月の返済額のうち利息部分は、残元金とそれに対する利率で算出されるため、残元金が多い初めのうちは返済額に占める利息の割合が大きくなります。
【元利均等返済のポイント】
・毎月の返済額が一定なので、返済計画が立てやすい。
・当初は利息の割合が大きいため元金の減りが鈍く、最終的な総返済額は元金均等返済と比べ高くなります。
元金均等返済
一方の“元金均等返済”は、期間を通して元金を均一に返済していく方法です。
前述の通り、残元金と利率によって利息が計算され、一定の元金に上乗せすることで、毎月の返済額が決まります。
【元金均等返済のポイント】
・初めから残元金が一定額減っていくので、最終的な総返済額が安くなる。
・元金の返済額が一定で決まっているので、利息が大きい当初の返済額が高くなる。
例えば…
借入額5,000万円 金利1.50%(金利変動なし) 35年間 借入れた場合
元利均等返済では、毎月15万3092円 総返済額6429万8732円
元金均等返済では、初月18万1547円 最終月11万9196円 総返済額6315万6250円
最初の月の返済額は元金均等返済の方が2万8455円高くなりますが、最終月にはほぼ逆転します。また総返済額では元金均等返済の方が114万2482円も安くなります。
今現在の返済額を抑えるか、長い目で見て総返済額を抑えるか、どちらが合っているかはそれぞれのライフステージによります。
例えば、小さなお子様がいる方にとって、将来お子様が高校・大学進学などで教育費がかかる頃に返済額が減っていると助かる事も考えられます。
さて、少し視点を変えてみます。
先ほどと同じ内容の借入を低金利の変動金利で借りた場合です。(ただし、金利は変動しなかったものと考えます。)
借入額5,000万円 金利0.60%(金利変動なし) 35年間 借入れた場合
元利均等返済では、毎月13万2014円 総返済額5544万6068円
元金均等返済では、初月14万4047円 最終月11万9107円 総返済額5526万2500円
初月の返済額は元金均等返済が1万2033円高く、最終月は1万2907円安くなります。総返済額の差額は18万3568円となります。金利1.50%の時の差額約114万円から大幅に変わりました。
より低い金利で借り入れが可能な時には、総返済額の差額が縮まるため元利均等返済の利用価値があるように思います。が、逆に初月の返済額が抑えられるので、元金均等返済が利用しやすくなったとも考えられます。
このように、返済方法はそれぞれのライフステージに加えて、利用できる金利が何%なのかも踏まえて検討してみてください。総返済額が少し高くてもその差額が許容範囲内であれば、当初の返済額が低い元利均等返済を利用したいところです。